目次
この本の概要
タイトル | ノーサイド・ゲーム |
著者 | 池井戸 潤 |
出版社 | ①ダイヤモンド社 ②講談社文庫 |
出版日 | ①2019/6/11 ②2022/11/15 |
日本でもワールドカップが開催されたラグビーを題材に、著者・池井戸潤さんらしく
熱くライバルにも社会の壁にも戦っていく作品です。
どんな人にオススメ?
- 池井戸潤さんの作品が好きなひと
- テレビドラマ・日曜劇場「半沢直樹」が好きだったひと
- スポーツビジネス、チーム運営に興味があるひと
- 毎日戦うビジネスパーソン
- ヒーローが強敵を倒すのを応援したくなるひと
- 悪役が倒されるとスカッとする気分になるひと
上記で下の2つは
池井戸潤さんの作品を読んだあとの爽快感・痛快感を表現してみました。
私はスカッと感が癖になっています。
この本の所感

「ノーサイド」という美学
結構、有名な言葉で、これを聞くとラグビーを連想される方も多いのではないでしょうか?
この本は、実業団ラグビーチームとそのGM(ゼネラルマネージャー)が
会社(経営陣)、ライバルチーム、しがらみだらけのラグビー中央団体の狭間で苦労しながら、目標に向かって突き進んでいくストーリーです。
2019年・夏には大泉洋さん主演のドラマ(TBS・日曜劇場)が放送されていましたね。
TBS・日曜日の夜21時のテレビと言えば
このノーサイド・ゲームの他に
池井戸潤さん原作の有名なドラマ「半沢直樹」があって、毎週、放送を楽しみにしていました。
「やられたらやり返す、倍返し」など、かなり話題になりましたよね。
池井戸潤さんの作品は、ビジネスの世界で困難に立ち向かう主人公が、大きな相手に戦っていく構図が醍醐味で、毎回、「自分も頑張ろう」と励まされています。
ラグビーと言えば、
2015年のワールドカップで日本代表が強豪国・南アフリカを相手に歴史的大勝利を挙げたことで、
ラグビー選手の格好良さに注目が集まり
特に五郎丸選手は、特徴的なルーティンが流行りました。
この良い流れで、
2019年、母国開催となったワールドカップがあり、
日本代表チームは強豪国相手に大勝利を重ね、決勝トーナメントまで進む大躍進。
日本代表チームのスピーディーで躍動する頼もしい選手達をみて、
「日本、強いな!」と誇らしくなったのを覚えています。
特に、日本チームが繰り出すオフロードパスに魅了されました。
高まるラグビー人気と実力
2022年からはジャパンラグビーリーグワンがスタートし、
ワールドカップで活躍した海外の一流選手の名前も連なり、
ラグビーの人気の高まりを感じています。
そんな上昇気流を感じるラグビーを題材にした池井戸潤さんの作品は
きっと、泥臭く熱い戦いを楽しませてくれるはず!と期待に胸膨らませながら
本書を手に取りました。
池井戸潤さん特有の「情熱・志」を堪能
本作は
・ラグビー未経験者がチームのゼネラルマネージャー
・低迷中のチーム
・スポーツにありがちな中央団体のしがらみ
・実業団としての存在意義
・スポーツの美徳だけでは説明できない運営予算と経営判断
など、かなりの困難な状況でスタートする物語がですが、
この壁をどう乗り越えてくれるのかに期待を胸に秘め
主人公と一緒に戦っているつもりで読書を楽しめました。
私もスポーツチームの運営は興味があって、チームの広報、地域貢献、収益化を考える
スポーツビジネスに携わりたい夢を抱いていたので、
この環境に身を置く主人公の状況が羨ましくもあり、共感しながら読めました。
ラグビーを象徴する言葉
ラグビーに必ず出てくるキーワードと言えば
「one for all ,all for one」、「ノーサイド」
本書でもラグビー界を運営していくための崇高な精神として描かれていますが、一方で、この美徳に頼りすぎて、放置されている課題に疑問を持つ主人公の葛藤。
危機感に対して熱量を持って、周りを巻き込みながら戦う主人公。
・情熱と行動力
・リーダーシップ、明確な方向性
・スカッとするストーリー展開
スポーツを普及させていくために、地域を巻き込み
強いチームへと育てていくとともに、ビジネスとしても成立させていく
「本来、見に来てほしい人・ファンでスタンドを埋め尽くす」
マーケティング思考が刺激的でした。
信念を貫き通したいと望んでいる自分
池井戸潤さんの作品は社会に潜む大きな課題・壁を連想させるテーマに対して、
本心では「おかしくないか?」「本来はこうあるべきでは?」と感じることをクリアに描き、主人公が立ち向かっていく展開の中に自然と読者(私たち)を惹きこんでくれて、共感を味合わせてくれますね。
社会人になるといろいろな現実に直面して、悲観的な一面に触れることも
日常茶飯事ですが、
この本を読みながら、「明日(今日)から、また頑張ろう」をもらっています。
ワールドカップで見せてくれた日本選手が世界と戦う逞しい姿を見て
あの熱狂を味わえるラグビーがもっともっと日本で盛り上がってほしいですね。
