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有言実行で青春を謳歌し、歴史に名を刻むぐらい尖ってる『成瀬は天下を取りにいく』

有言実行で青春を謳歌し、歴史に名を刻むぐらい尖ってる『成瀬は天下を取りにいく』

この本の概要

タイトル成瀬は天下を取りにいく
著者宮島 未奈
出版社新潮社
出版日2023/3/15

2024年の本屋大賞受賞をはじめ14冠の話題作。

滋賀県大津を舞台に不思議な少女が繰り出す決意表明とその奮闘を愉快に楽しめます。

第1話の「ありがとう西武大津店」から始まり全6話からなる作品です。

続編となる「成瀬は信じた道をいく」も発売されています。

話題作だけあって、新潮社には特設ページがありますね。

どんな人におススメ?

  • あまり本を読んだことがない成瀬と同じ年代の中高生
  • 高校生をテーマにした小説が好きなタイプ
  • 最上思考なタイプ
  • 変わり者が好きなタイプ
  • 変わり者を放っておけないタイプ

中高生を主人公にした作品だけあって、
受賞したタイトルを見ると、「中高生におすすめの・・・」、「○○県高校図書館司書が選ぶ・・・」
など学校教育系の評価が高いですね。

まさに、学生生活でしかできない青春を謳歌してほしい!というメッセージを感じます。

この本の所感

みんなのツボにはまる成瀬ワールド

本の表紙には西武ライオンズのユニフォームを着た芯の強そうな可愛らしい女の子。

この子の名前は「成瀬あかり」。この本の主人公。

極めるタイプの成瀬は小さいころから優秀で、周りから一目置かれる存在だったが
小学生後半になると浮いた存在となり、集団の輪には入らない構図へ。

そんなことは気にしない本人はマイペースに変人伝説を更新し続けているようです。

例えば、絵のコンクール入賞、短歌のコンクール、特技のけん玉など、
地元のテレビや新聞のも名前が出るぐらい話題性のある女の子です。

本作は成瀬のワンマンヒーロー物語のようですが、主人公目線ではなく
成瀬を見守る視点で描かれていて、その視点となっているのは
成瀬を一番近くで見守る存在で幼馴染の「島崎みゆき」。

島崎含めて読者も成瀬の奇想天外な行動についていけないが、どこか期待してしまう。

それが成瀬ワールドに惹き込ませてくれているように思いました。

キッカケはミーハーだが、実は成瀬は私の好きな変人タイプ

なぜこの本を選んだかと言われると・・・
2024年の本屋大賞の受賞作品で、しかも帯には空前の14冠!と書いてあり
単純に気になったから。
というシンプルな動機でした。

実はこの作品にあまり詳しくなかったので、本の表紙の絵や帯の情報で
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
中2の夏休み、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した
と書いてあるのを見て、サブカル感が強そうだな~と思っていました。

本作を読んでみるとサブカル感もそうでしたが
滋賀県大津市というコアなテーマでローカル愛が伝わってくる内容でした。

私のタイプが変人好きなだけあって、成瀬は私のど真ん中ストライクの生き方をするキャラクターでした。

なぜそれ?のオンパレード

「わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
「わたしはお笑いの頂点(M-1)を目指そうと思う」
「丸坊主にした理由は、髪の毛が月に1センチ伸びるかを検証するため」
「かるた部に入るために『ちはやふる』を全巻読んだ」

と私が友達から言われたら、思わず「はぁ~!?」と言ってしまうような成瀬語録の数々。

でもどこかそんなキャラが私は好きです。

この本の主人公である成瀬あかりの特徴で好きなところは、誰と会話するときでも
口調がボクトツで我が道をいくタイプが全面に出ているところです。

変人感が板についていて、しかもすごく安定感のある無敵キャラを醸し出している。

多少の外乱は気づきもしない、そんな成瀬をリスペクトしている自分に気づきました。

自分も心の片隅で成瀬のように生きてみたいと願っている

たまに、成瀬みたいな我が道を行くタイプを見ますよね?

そして、そんな人が羨ましく、憧れてしまう。

でも、どうしたら自分がそんな憧れの存在と近づけるのかの距離感もわからない。

自分に無いものを持っている人って、すごく魅力的だし影響力ありますよね。

成瀬もそんなタイプなので、本屋大賞をはじめ14冠を獲得するほど世間の共感を生んだのだと思いました。

本のタイトルにある「天下をとりにいく」とあるように
自分のゾーンに入ったものは頂点を目指すのが当たり前!
という最上主義だからこそ、読者が励まされ、勇気をもらえるのだと思いました。

最強キャラが見せた人間らしい弱さにギャップ萌え

中学校2年生の夏から高校生3年生まで、成瀬の光る活躍が描かれた本作。

幼馴染の「島崎みゆき」や、高校のクラスメイトであった「大貫かえで」の視点だからこその成瀬の魅力が描かれていますが。

最終章となる「ときめき江州音頭」は成瀬の視点と心境で書かれています。

傍からみれば一見、成瀬は周りに興味がなさそうですが。

実は地元愛にあふれていて、幼馴染・島崎みゆきという存在の大切さがわかる最終章。

自分の目標のために、他人のことなど眼中にない
アンドロイド級の無敵キャラだと思っていた成瀬が、
友達から自分がどう思われているかで思考が混乱しているところに
人間味のギャップを感じて好きになってしまいました。

成瀬には天下を取ってもらいたいですね。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この本が気になった方は是非、読んでみてください。

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