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荒木村重をフィーチャーしながら凄さが際立つ黒田官兵衛の事件簿「黒牢城」

荒木村重をフィーチャーしながら凄さが際立つ黒田官兵衛の事件簿「黒牢城」

荒木村重、、、誰?
信長に逆らい、最後は家臣と自分の城を捨てて、一人で逃げた武将。
ああ、そんな人もいたかも。

これぐらいの薄いイメージでした。
この本を読んで荒木村重のキャラが分かり、ちゃんと組織統制を考えている武将のイメージに代わりました。
その村重が遭遇する事件の真実を見抜いてしまう黒田官兵衛。
村重と官兵衛、二人のキャラが立っている作品を楽しめました。

この本の概要

タイトル黒牢城
著者米澤 穂信
出版社KADOKAWA
出版日2024/6/13

第166回直木賞受賞! 
物語の主人公は荒木村重。
天下統一を目論む織田信長を裏切り、
来るか来ないか分からない毛利の援軍を待ちながら、有岡城に籠城する城主。
孤立する城でおこる4つの難事件。
牢屋に閉じ込められた黒田官兵衛の知恵をかりながら解決していく物語。
ミステリー史の金字塔と謳われているようです。

どんな人にオススメ?

  • 戦国時代の出来事マニア
  • 織田信長周辺の武将に興味がある方
  • 家臣を裏切る武将っていったいどんな人?と思う方
  • 直木賞受賞作を読みたい方

正直に言うと、信長の有名な家臣の名前を数名は挙げることができます。
豊臣秀吉、明智光秀、柴田勝家など。
ただ、
荒木村重のことは、これまでに着目したことはありませんでした。
おぼろげに
家臣を裏切って城を捨てたエピソードはどこかで聞いたことがありました。
それが荒木村重だったことをこの本を読むことでつなげることができました。

城と家臣を捨てたレッテルを持っている武将が主人公の物語から
いろいろ学ぶことができました。

所感

黒(田官兵衛)→牢(屋に幽閉)→(有岡)城に。

私が本屋で本を探すときに、タイトルから勝手にイメージを膨らませて
楽しそうとか、これはちょっと難しそうとか、今は保留など。
妄想の仕分けも楽しんでいます。

「黒牢城」
この本のタイトルを見たときに、どんな内容なのかが全然イメージが付かなくて
本を手に取ろうか、保留にしようか、迷いました。
城が入っているから、歴史系かな。でも現代の話題でも城を付けるタイトルはあるしな~
米澤穂信さんの作品だとミステリー??

本を手に取る一番の決まり手は帯に「直木賞受賞作」と書いてあったことでした。
直木賞ならチェックしようと、
裏面に書いてある紹介を読んでみたところ、
黒田官兵衛が登場する物語。
おぼろげに黒田官兵衛はどこかの城で牢屋に閉じ込められたことを思い出しました。
黒(田官兵衛)→牢(屋に幽閉)→(有岡)城に。
だからこのタイトルなのか。
直木賞作品なら単純な歴史を振り返るだけの物語ではなさそう。
ここまでの思考でようやく読んでみようかな。となった本でした。

悪いイメージ先行だった武将の良い一面

黒田官兵衛のことは好きなので知っていたのですが、
小説のメイン舞台となる有岡城と聞いて、あまりピンときませんでした。

有岡城。
荒木村重。
信長を裏切った武将。
自分と引き換えに家臣を守った武将と対比で語られる城を捨てて逃げた武将。
そういえば、そんな記憶もうっすらと蘇ってきて。
黒田官兵衛が長い間、牢屋に閉じ込められて足が不自由になってしまったこともあったな~
と。
黒田官兵衛を起点に
「有岡城」、「荒木村重」を思い出しました。

これまで、
正直にいうと、荒木村重に注目したことがありませんでした。
城を捨てて逃げてしまう武将という言葉からのイメージだと
臆病者なのかなと悪いイメージ先行型でした。

本を読んで変わった印象としては、
臆病者という言葉より、
内部崩壊しないようリスクヘッジに気を配る気配りができる武将。
会社の管理部門にたらほころびを正せる良い人材。
勝手にイメージを悪くしているよりも、しっかり者じゃないかと。

村重のイメージが少し回復。そして、黒田官兵衛の万能感を感じた物語

私の中で実はいい人に変わった荒木村重という武将。

では、なぜ、家臣が残る城を捨てて、一人で逃げてしまったのか?
どうして、しっかり管理していたはずの組織が怠惰していったのか。
そこが、黒田官兵衛も絡んでくる謎解きストーリーの醍醐味だったと思います。

城で起こる数々の珍事件の解決に悩む村重。
村重が悩んだ時に
要所要所のタイミングで牢屋にいる官兵衛に打ち明け、
牢屋にいながら全てお見通しの官兵衛。
達観視している黒田官兵衛はやっぱりすごいなという安定のリスペクト感。

最後に官兵衛が村重に与えた秘策。
切れ者過ぎて驚きました。

最後にひとこと

荒木村重とはいったいどんな武将だったのか。
悪いイメージのままいるのは、気持ちが落ち着かなくなり、
しばらくYouTubeとかで深追いするようになりました。

時代背景、情勢を学べて勉強になりました。

そして、黒田官兵衛の凄さは安定でした。
現場も見てない事件の真実を見抜いてしまう官兵衛って凄すぎ。

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