
空海とは?
と聞いて、一般的なことしか頭に思い浮かばなかったのですが、
実は空海ってすごい!と思えるキッカケとなった
・エンタメとして楽しめる本
・見識が広がる本
の2冊をご紹介します。
目次
紹介する本の概要①
タイトル | 沙門空海 唐の国にて 鬼と宴す 巻ノ一~巻ノ四 |
著者 | 夢枕 獏 |
出版社 | KADOKAWA |
出版日 | 2018/3/13 |
唐の長安に遣唐使としてやってきた若き天才・空海と、盟友・橘逸勢が
奇怪な体験をしながら、
絶世の美女といわれる楊貴妃の逸話にも絡みながら
驚愕の歴史の深層に迫っていく。
2018年に公開された映画『空海 ―KU-KAI―美しき王妃の謎』の原作となる本です。
紹介する本の概要②
タイトル | 空海の風景(上)・(下) |
著者 | 司馬 遼太郎 |
出版社 | 中央公論新社 |
出版日 | 1978/1/1 |
司馬遼太郎さんの歴史小説。
平安時代初期に密教を独自に体系化し、真言宗の開祖となった空海を扱った作品。
題名の『空海の風景』とは、
空海の生きた時代がはるかに遠い古代であるため現存する史料が乏しく、
空海の人物に肉薄することが甚だ困難であり、
せめて彼が存在した時代の彼にまつわる風景を想像することによって、
朧げながらもそこに空海の人物像が浮かぶことを期待して執筆されたもの。
どんな人にオススメ?

- 空海の歴史に興味があるひと
- 最澄と空海をセットで認識しているひと
- 最澄vs空海 二人の違いが気になったひと
- 空海は天才だったと知って興味がわいたひと
空海の本を真面目に読もうとすると勉強しているイメージになりますが、
1つの本ではなく、そろいろなジャンルから読んでみることで、
案外、気軽な気持ちで楽しめました。
所感
キッカケは「沙門空海 唐の国にて 鬼と宴す」
2018年に染谷将太さん主演で空海の映画が公開されました。
私は映画館の予告編ぐらいしか見たことがないのですが、
この映画の原作となったのが
今回、ご紹介する夢枕獏さんの「沙門空海 唐の国にて 鬼と宴す」
文庫本で全4巻の超大作でした。
夢枕獏さんの作品が好きで、この作家が空海を描くならどんな感じなのかと思って読んだ本でした。
そもそも、空海とは?

「沙門空海 唐の国にて 鬼と宴す」を読んだ時に空海の無敵ぶりを初めて知りました。
これまで、歴史の教科書でしか習ったことがなく、
いわゆる偉いお坊さんを連想してでてくる
静寂、厳粛、慈悲、知恵、無欲というようなイメージを勝手に描いていました。
記憶にあるのは、学校で
最澄=天台宗=比叡山
空海=真言宗=高野山
とセットで暗記したこと。
「弘法にも筆の誤り」と言われているように、字が上手だった。
ぐらいでしたが。
「沙門空海 唐の国にて 鬼と宴す」を読んだ後の空海の印象は
虚空のものでも何でも真を見極めてしまう達観視と、
密教を数か月でマスターしてしまうスーパーヒーロー。
空海ってすごいカッコ良いんだなと。
私の中で勝手に思い描いていたお坊さん像が革命的に崩れました。
以降、「空海(=ヒーロー)」と勝手に脳内変換されるようになりました。
そして、つい最近、本屋で
司馬遼太郎さんの「空海の風景」を見つけました。
見識が広がり、空海の人間味も学べた司馬作品

私にとって司馬遼太郎さんと言えば、
歴史を知ることで見識が広がる、知恵がつく、自分の成長につながる。
という大きな存在でした。
そんな司馬遼太郎さんが描く空海を読みたくて読みたくて、ワクワクしました。
司馬遼太郎さんの描く空海からは
これまで意識しなかった空海の人間味と豪快な行動力。
数々の有名な逸話も全然知らなかった私には驚くことばかりでした。
例えば
・最初は無名で、お坊さんのエリートではなかった。
・運よく遣唐使として船に乗れた。
・唐の国で密教を数か月でマスターして、トップになってしまった。
・最澄は空海に弟子入りして、密教を学ぼうとしていた。
そもそも私は密教について知らなかったので、
密教を調べるところからのスタートでした。
密教をざっくり言うと、宇宙の真理に基づくものらしいですね。
空海が宇宙のような広い視野で物事を見ているからこそ、
超越した才能が発揮できたことも納得しました。
空海の才能も凄いけど、生き様が凄い

歴史の授業で習ったことは、最澄と空海という偉いお坊さんがいたこと。
暗記するにも2人がセット。
キャラが違うことは全く頭に浮かびませんでした。
ところが、今回ご紹介した2冊を読んで、
空海と最澄が全く違うタイプであることを知りました。
空海がトップに立つまでの激動!
周りを気にして普通は焦るところもマイペースに信念を貫く。
物事への探求心とそれを学問的に習得してしまう才能。
いろいろな運のめぐりあわせの良さもあると思いましたが、
本人からしたら、「そうなるもの」ぐらい全て達観していたような気がします。
最後に

今回、ご紹介した2冊は空海についての本でした。
歴史関連の本はどうしても「学ぶ」という教養の面が多いですが、
空海をヒーローのようにあつかうエンタメ性のある本からも楽しめました。
空海が開いた真言宗のお寺が
自宅の近くにあったので、お参りに行ってきました。