目次
この本の概要
タイトル | ①武士道シックスティーン ②武士道セブンティーン ③武士道エイティーン |
著者 | 誉田 哲也 |
出版社 | 文藝春秋 |
出版日 | ①2007/7/26 ②2008/7/14 ③2009/7/30 |
高校生活を剣道にかける2人の女子高生を描いた作品です。
剣道のスタイルも普段の生活スタイルも性格も全然違う対照的な2人の女流剣士が
自分の道を切り開いてくところに、高校生のエネルギーを感じます。
2人が3年間でどんな経験をするのか、どんな成長をするのか、結末はどうなのか。
是非、お楽しみください。
どんな人にオススメ?
- 部活/スポーツに熱中しているひと
- スポーツ系の小説が好きなひと
- シリーズ物、長編小説が好きなひと
- なんか、自分も頑張ってみたい!と思っているひと
高校生の部活ネタだけあって青春の甘酸っぱさを感じます。
私の高校時代はとうの昔ですが、スポーツで特に武道には「道」が入っているだけあって
心が大事であることを実感し、
今からでも前向きな気持ちになれました。
この本の所感
誉田哲也さんの作品の高校生活を剣道にかける剣道女子の3部作

・武士道シックスティーン
・武士道セブンティーン
・武士道エイティーン
高校1年、2年、3年とそれぞれ1冊ずつに分かれた本です。
物語のメインは剣道をする2人の女子高生。
1人は「磯山香織」
剣道のイメージと言えば、努力、忍耐、礼儀、精神力など、心技体のすべてを鍛え上げる。
まさにその道をいく剣道エリートのキャラクターです。
愛読書は『五輪書』と『武士道』!!極みを目指すタイプですね。
ストイックで絶対強いですよね。
もう1人は「西荻(甲本)早苗」
日本舞踊をやめて、中学から剣道を始めた女の子。
普段の生活ではマイペースで優柔不断な女の子。
剣道では勝敗よりも自分の動き(剣道)を追求していく、自分の芯を持ったキャラクターです。
そんな2人が中学校3年生の大会で対決したことからストーリーが始まりました。
2人は同じ高校の部活で再開し。
ここまで聞くと、さぞバチバチなライバル関係を想像してしまいますが。
その後、3年間をかけて、いろいろな展開を楽しめる作品となっています。
2人のキャラクターが違いすぎて、会話や関係性が成立するのかヒヤヒヤしますが、
3年間もあるし、
普通はどこかで打ち解けあったり、親友とかお互いを認め合う友情が芽生えあったり、
とかの展開になっていくのだろうな~と想像しますよね?



ところが、まだまだ不器用な一面もあって、高校生ってそんなに上手にいかないですよね。。。
(振り返ると、私の高校実体験もあんまり器用で楽しいことばかりではなく、恥ずかしい思い出がいっぱいです。)
本作ではこの2人の関係性に甘酸っぱい高校生活の香りを感じました。まさに、青春。
剣道でライバルと言えば、お互いの存在を意識しながら
「次は勝ちたい。これだけは負けない」など、切磋琢磨していくイメージですが
この2人は交錯しそうでしない、運命のいたずらに翻弄されているところが面白いです。

「武士道」って、ハードル高そうだけど憧れのワード
最初に目に入ってきたのは本のタイトルにある「武士道」
当時、引っ越しで生活の拠点を移すことが多く、その土地の成り立ち、日本の成り立ちを理解するために歴史を学ぶことが楽しい時期でした。
歴史を学びながら現代までの成り立ちを理解するのに、
もってこいだったのが司馬遼太郎さんの歴史をテーマにした小説を読みふけることでした。
「黒田官兵衛」、「坂本龍馬」、「宮本武蔵」と続けてきた中で、
そろそろ、気分を変えて現代的であまり読んだことの無い本に行こうかなと。
そこに目に飛び込んできた文字が「武士道」が入っているこの作品でした。
本の作者・誉田哲也さんと言えば、2007年にテレビドラマで放送されていた「ストロベリーナイト」警察のドラマが印象的です。
姫川玲子が凶悪犯や警察を相手にタフに渡り歩く、クールで切れ味のあるドラマでした。
「武士道」から連想するのは武士としての心得。
綺麗でパリッとした和服を着て、ちょんまげをした男の人の立派な出で立ち。
作法がしっかりした礼節を重んじる崇高な男の人のイメージです。
ところがこの本の主役は女子高生、
しかも剣道、かなり、尖った設定だと思いました!
登場する2人の距離感がつかず離れずでソワソワしながら1作目を読み終えると、
2作目、結末が気になる3作目と気になりました。
のちに「武士道ジェネレーション」も出版されたようですが、この本はまだ読んでいません。
このブログを書いていると、読みたくなってきたので、読んだら感想を書いてみたいと思います。
頑張る高校生はキラキラ眩しい
高校2年生(2冊目)になると、とある理由から香織と早苗は離れ離れに。
なんだがもどかしいですが、
2人がもがき苦しみながら、成長していく過程を一緒に楽しめます。
そして3冊目は本の中に出てきた伏線もいろいろ回収しながら
高校3年生ではクライマックスの展開へ。読み応えのある本でした。
高校3年間の生活はあっという間ですね。
本作も長いようで、あっという間に駆け抜けるキラキラ眩しい剣道女子の青春を楽しめました。
高校に限った話ではないですが、十代、部活、勉強、制服、あこがれの○○
思い出がたくさん詰まった青春時代って、後戻りできないんですよね。
この本を読みながら、自分のことを思い出しつつ、
高校で経験できる目の前の1つ1つの出来事を羨ましく思いました。

高校生が剣道を通じて、もがき、考え、努力する。まさに青春がつまった作品です。
一生懸命な毎日が大切な思い出になる高校時代。
剣道のライバルというと、実力伯仲の関係で
目と目が合えば、バチバチなるイメージがありますが
「香織」と「早苗」は対照的過ぎて、アンバランスな感じがソワソワしました。
お互いに芯が通っていて、
両方の気持ちで高校生活を2倍楽しめた気になりました。
そして、私は高校生には戻れないけれど、しっかり、毎日を無駄にせず、
ここから、頑張ろうと思える本でした。